デザイナーズコラム

I Love Setagaya

■デザイナー's コラム
『I Love Setagaya』
【ザ・シーズン世田谷/チーフデザイナー粟井 琢美】2003年7月

 『永く愛せる』ということ
それはつまり、地球にやさしい(ecological)ことではないかと、私は考えます。
ムダに作り、ムダに壊さないこと。
家族の歴史を大事に、土地に合った自然を大切にすること。
『センスよく』慈しむように暮らしたい…。
そんな気持ちを持って図面を描くようになってから、お客様との交流がぐっと深くなった気がします。

 そもそも、私がこの仕事を始めた頃には、町並みをきれいに、自然を…なんてことを考える事は少なかったと思います。だいたい十数年前には、デザイン性がとか、癒しの空間に…などの発想は、住み手側も往々にして持ち得ていないのが実状でした。つまり、ニーズが少なかったということです。敷地をぐるっとブロックで囲って、飛び石で動線を確保した、機能性のみを追求した空間。記号的な植栽も、時が経てばそこは足を踏み入れない、目に入る事さえ忘れられた空間であったかもしれません。

 そんな発想から現在、庭や空間に関する人々の見方は肥えてきました。世は不景気ではありますが決して庭や空間に不景気などという言葉はなく、そこには金銭や階級社会、学歴を超越した何かがあると思えます。心のこもったエクステリア&ガーデンを提供するという仕事に身を捧げ、常に時代にそったテーマを追い求める今日この頃であります。そのルーツは『永く愛せる』…ではないでしょうか。

 そんな中で日本の環境に合ったというか自然に限られてくるのが『坪庭』的発想空間です。『坪庭』というぐらいなので、広さも十分でなく、設計・施工も手間が掛かりにくく、それでいて存分に楽しめる空間が生まれます。採光や通風など自然をうまく活かし住み手に感動を与えると、『足を踏み入れない、目に入る事さえ…』なんて事は無くなります。その空間を最大限に構成しカタチに出来る事が私たちデザイナーには必要です。

 日本には坪庭文化と言っていいほど数多く有名な坪庭がありますが、ご存知の通り和式は、『見る』を中心とした空間づくりが成されています。そんな中で海外の作風を良く目にする機会があるのですが、個人的に面白いと思う人物にルイス・バラカンというメキシコ人建築家がいます。彼の作品は、非常に不思議な空間造りをしています。幻想的でそれでいて回想的。自分たちの今までのライフスタイルを構築しているのでしょう。きっと、彼の原風景には家族や自然を慈しむ、明確なビジュアルが心の中にあるはずです。
そんな、情景や歴史ある空間造りを行う事を信念にして、少しでも世田谷というエリアに潤いを与えられるデザイナーとして、日々切磋卓磨していきたいと思います。
世田谷店スタッフ:
お気軽にご来店ください。

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