デザイナーズコラム

世界遺産ベルサイユ宮殿と庭


世界遺産ベルサイユ宮殿と庭
ザ・シーズン目黒 チーフデザイナー矢島 武志


王の中庭
 2002年6月、ベルサイユ宮殿に行ってきました。パリ市内から電車に乗り郊外の田舎風情を見ながら一時間くらいで着きました。毎年400万人以上が訪れるこの宮殿は、パリの西南西20kmのベルサイユにあり、宮殿は、1979年、ユネスコの世界文化遺産リストにPalace and Park of Versaillesとして登録されています。
総面積800ヘクタール、道の全長20km、囲い塀20km、窓の数2153、部屋数700と、とても壮絶な広さでびっくりしました。

太陽王ルイ14世騎馬像

一面の石段
王冠をあしらったブルボン家の紋章が飾られた正面ゲートをくぐると、矢張り石畳が一面に敷きつめられて、ルイ14世の騎馬像、そして左右対称の宮殿の中心を貫く軸線に沿って、外側から大遠舎,正門、国王の居室が配され、その両側には長大な南北翼を備えます。
フランスの絶対王政の栄光と権力を正面ゲートの前に立つだけで感じます。石畳は歴史を感じさせる温もりのある雰囲気をだし、普通は撮らない写真ですが、思わず撮ってしまいました。

私のお気に入りのショットです。
 宮殿の庭園は当時フランス随一の庭園師ル・ノートルの設計で、幾何学模様の庭園が広がり、その後方にはベルサイユの森が延々と続いていています。美しく刈り込まれたイチイの植え込みとツゲの縁取りを見ながらさらに西に進むと中央にアポロの泉が見え、泉の向こうに銀色に輝く大運河が続きます。そのはるかかなたに左右対称に規則正しく植えられたポプラの並木がみえ、運河の途中直角に十字のように彫られた小運河の先には数々の離宮(トリアノン)がありますが、離宮など宮殿周辺施設を見るには、一日あっても足りないくらいの壮絶な広さです。
ベルサイユ宮殿の庭園は同じ種類や高さの木を規則的に植え、遠くに向かって小さくなり連続的な奥行きが強調される遠近法や中心的な軸線に直行するいくつかの軸をつくり、その末端にアイストップを作るような空間構成でまとめたデザインでとても勉強になります。日本のお庭でこの空間構成はなかなか難しいですが、遠近法やアイストップなどは、アプローチやお庭で多く使われる工夫なので、私のプランにも生かして行きたいと感じます。

庭園からの宮殿

アポロンの泉

幾何学模様の庭園

ベルサイユの森
 宮殿は、入り口正面に向いて、左右対称になっています。ルイ16世とマリー・アントワネットが結婚式を挙げた「王室礼拝堂」、庭園に面して作られた17の窓とその反対側の壁面に578面の鏡で作られた17枚の偽窓で有名な「鏡の間」、ルイ14世妃マリー・テレーズ、ルイ15世妃マリー・レクザンスカ、ルイ16世妃マリー・アントワネットと歴代の3王妃が使用した「王妃の間」などは、ブルボン王朝が絶大な権力を誇っていた時代を彷彿とさせます。各部屋や回廊に時代を反映するさまざまな彫刻、絵画、壁画、天井画がならび飽きることなく感動しましたが、正直かなり疲れます。

絵画や彫刻も無数にあり、ひとつひとつに物語があり、その表情はほんとに素晴らしいのですが、歴史や文化の知識、時間があれば、もっともっと感動があったと思います。今回は日本に帰ってきてから、いろいろと勉強し、少し後悔もしましたので、また近いうちに行きたいと思います。
また、他の世界遺産や海外の庭も自分の目で見て、いろんな事を吸収し、デザイン力の向上に役立てていきたいと思います。

王室礼拝堂

鏡の間

回廊の壁画

ディアナの間の天井画
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