デザイナーズコラム

オーストラリアガーデン・町並み探訪(2)

オーストラリアガーデン・町並み探訪(2)
ガーデンデザイナー高橋 典子

【3】NOOSA(ヌーサ)見学

 QCBブリックを後にした私たちは、ブリスベンまでの帰途途中にある、ヌーサという街に立ち寄りました。 
 ヌーサはリゾートタウンとでも言おうか、温暖な気候に恵まれた土地柄か、伸びやかで自由な色使いの家々とそのエクステリアが、心地よいショックを与えてくれます。鮮やかで華やか、日本でそれらの色を住宅に用いれば、注意を払わないと「下品」という印象を与えてしまう。まさに、かの地の自然が与えてくれる太陽の光の下では、あくまでも自然で心地よいハーモニーとなっています。色の組み合わせやトーンも絶妙です。
 川沿いに面した家々には個々に船着場があり、その風景も、家屋価値を高める「財産」だと言う事が見てとれます。平屋造りの住居も多く、空間構成はあくまでゆったりとしてます。
 山の中腹付近の集合住宅は、日本でも見られる階段状の建て方になっていて、各住居にはザ・シーズンでも取り扱っている、トライアングル状のオーニングが取り付けられていました。
 日本でよく見られる「失敗してしまった」という印象を与える色使いは、その全てがそうだとは言えないにしても、例えば施主が海外へ出向き「ああ、家を建てるときにはこんな色の外壁にしたいなあ」と希望を持ち、いざ建築することになって施工会社に「こんな色を使いたい」と出したイメージと施工会社が受け取ったイメージに、差があるのかな?と常々思っていました。
 やはり提供する側である私たちデザイナーは、常に勉強しつづける事が必要だと再認識しました。色の件はほんとうに難しいです。もちろん海外に出かけることだけが勉強にあらず。様々な見聞を広めたいものです。
【4】ブリスベン市内
 夕刻メルボルンへの移動のフライトがあったため、市内のガーデニングショップ等の見学に費やしました。
 まず訪問したのは大規模なホームセンター。HAWKINSと違いこちらの品揃えは日本的なDIY商品・資材が多いです。それから、日本国内では私たち専門会社に依頼しないと手に入らないような品質の、ウッドフェンス等の資材が簡単に店舗で買えるということに驚いた。
 全てそうとは言わないが「日本でこんなお洒落なグッズを気軽に買えるホームセンターはまだ少ないな」という印象です。それだけガーデンと、それを取巻く環境を楽しもうとする人々が多いのでしょう。それに答えられる店舗が多いというのは羨ましがってばかりもいられません。
  2店舗目は、先に訪れた大型店とは違い、「ハイセンスな生活用品全般」にその品揃えが及び、家具の取り扱いもありました。ガーデン関係に留まらず、最近の流行「アジアンテイスト」、欧米的に言えば「オリエンタルテイスト」と呼ばれる商品がかなり見られます。
 オーストラリア人の「東洋」へのイメージの捉え方が伝わってきます。例えば「庭のこんなところに何故仏像が・・・?」などという、しつらえもありますが、彼らの自由な発想は、なかなか独創的で興味深いです。
 続いて、いくつかのインテリアショップも見ました。インテリアのみならずバックヤード的な空間に、ガーデンの設えがあったりなどして「インテリア」「ガーデン・エクステリア」というゾーンにはとらわれず、あくまでも一つの住空間としての捉え方をしています。バリ風ガーデンが印象的だった(また大仏・仏像が多くならんでいたが・・・。)
 ブリスベンを離れる最後に、ROMA STREET PARKLANDのなかにある、魅力あふれる「Spectacle Garden」を訪ねました。
 人為的につくられた川の流れを中心にし、要所要所でその表情を少しずつ変わる手法はお見事。今では私達にも身近な存在となったオーストラリア砂岩ですが、本国ではただ切り出して使うのみにあらず、彫刻を施したオブジェなどにも盛んに使用され、豊かな表情を見せています。
 いつも思うことですが、クリエイティブな作業のなかには「遊び心」「ユーモア」「色気」などのテイストが必要でしょう。子供も大人達も若者達も主にリラックスするために訪れる場所には、その様な要素が含まれていて欲しい。「五感を使って」とはよく言われる事だがここはまさにそれを感じさせる場所でした。夏の終わり(というより秋の始まり)の頃だったがまだ十分に花々や木々はその生命力を感じさせてくれたのもラッキーです。      
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