
二世帯が暮らす住宅は、敷地を存分に使った規模の大きいものになりがちです。
世田谷のO様邸も、変形敷地にボリュームのある総二階建の建物がいっぱいに建っていました。
元来、二世帯住宅には、ポストや表札、駐車場など二世帯分必要となります。また、道路に面した掃き出し窓の前には通行人からの視線をさえぎる目隠しなど、さまざまな要素が必要となります。更に、この敷地条件では、建物ボリュームに対して、道路までの距離が確保できないために、多くの要素をバランスよくおさめることは容易ではありませでした。

多くの要素を組み込みながら、道路が30度ほど傾いて接している癖のある敷地に配置するために、デザイナーはひとつの解決策を提案しました。それが、デッキ前の敷地に蛇行して連続する小壁の組み合わせです。その隙間に穴あきブロックを配置すれば、風と光をデッキに取り込みながら道路からの視線をさえぎっています。それが敷地のくせを巧みに処理し、かつデザインのポイントとなっています。

また、立面的にも門周りは、車庫のゲートや建物と釣り合いがとれる重厚感のある高さとし、前面の植え込みや駐車スペースの袖壁など、圧迫感をおさえたバランスをデザインしています。
だから、建物自体の魅力も引き出して自然にまとまって見えるのです。
この建物の、落ち着いた佇まいは、計算された寸法やバランスによって裏打ちされているのですね。

もう一つのポイントは、やわらかく調和した素材・色使い。
建物の壁面と同じトーンの塗り壁、石タイルを用い、その中に穴あきブロックやガラスブロックをほどよく組み合わせてリズムを織り成しています。直線基調のさわやかさ、若々しさと門扉や床面が象徴する、エレガントな華やかさは、おそらく二世帯のお宅だからこそ!の魅力ではないでしょうか。

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